オリゴ糖

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オリゴ糖とは

オリゴ糖は、その名前の通り「糖」の一種であり、複数の糖類が結合してできた集合体のことを指します。このオリゴ糖が腸にとって良い働きをすることは100年以上も前から明らかになっていました。当時は母乳栄養で育った子どもと人工栄養で育った子どもを比べると、母乳栄養で育った子どもの方が病気にかかりにくく、かかっても早く治癒することが知られていたのです。1899年にパスツール研究所において母乳栄養児の便にビフィズス菌が含まれていることが明らかとなり、その後、ビフィズス菌の増殖に関わっていたのが母乳に含まれるオリゴ糖であったことがわかりました。

腸内において、ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌を増やす効果がある物質をまとめてプレバイオティクスと言います。オリゴ糖自体はヒトの消化酵素では分解できませんが、善玉菌のエサとして腸内で利用され、その結果、善玉菌が増殖するのです。

オリゴ糖の種類

ひと口にオリゴ糖といっても、その種類は様々です。オリゴ糖を構成している糖の種類や、結合している糖の数によって、異なる名前がつけられているのです。よく耳にするものでは、砂糖の主成分である「スクロース」や、牛乳などの乳成分の甘みである「ラクトース」、化粧品の保湿成分としても使われる「トレハロース」などがあり、これらは自然界にも存在しています。また、ショ糖に果糖が結びついた「フラクトオリゴ糖」や、乳糖にガラクトースが結びついた「ガラクトオリゴ糖」といったものもあります。

このように様々な種類があるオリゴ糖について、ひとつずつ詳しくみてみましょう。

フラクトオリゴ糖

フラクトオリゴ糖は、ショ糖(砂糖)が原料であることもあり、砂糖に似た自然な甘さがあります。バナナやタマネギ、ごぼうなどに含まれるほか、はちみつにも多く含まれています。オリゴ糖の効果に関する研究でも、フラクトオリゴ糖が多く用いられています。例えば、日本人におけるフラクトオリゴ糖の効果を検証した研究では、善玉菌の増殖を促し、ウェルシュ菌や大腸菌などの悪玉菌の増殖が抑えられたことが報告されており、フラクトオリゴ糖が含まれる食品やサプリメントを摂ることによって、腸内環境の改善を期待することができます。

ガラクトオリゴ糖

乳糖がもととなっているガラクトオリゴ糖は、母乳にも含まれている、私たちにとって身近なオリゴ糖です。牛乳をもとにつくられるため、タンパク質の消化吸収を促進する働きもあります。ガラクトオリゴ糖を用いた研究では、腸内のビフィズス菌の増殖が確認され、さらにガラクトオリゴ糖の摂取量に比例して増加するということがわかっており、腸内環境を整えるのに重要なオリゴ糖であることが示されています。

マルトオリゴ糖

マルトオリゴ糖はブドウ糖が連なってできているオリゴ糖で、結合する数がそれぞれ異なるマルトトリオースからマルトヘプサオースまでの5種類が含まれています。砂糖よりも甘さが少ないため、甘みを抑えた食品や、保存性を高めたい食品に使用されます。砂糖やマルトースと比べて熱に強く、加熱したときの色の変化も少ないことから、料理の艶出しや着色防止にも使われています。腸内フローラに対する機能としては、ブドウ糖が4つ結合しているマルトテトラオースが腸内で腐敗菌を抑制する効果を持つことが知られています。

イソマルトオリゴ糖

糖が2本に別れて結合していることから分岐オリゴ糖とも呼ばれています。やわらかな甘みを持つオリゴ糖で、味噌や醤油などの発酵食品やはちみつにも含まれています。保湿力があり、安定的で分解されにくいため、パンなどでんぷんを含んだ食品やみりんなどの日持ちを良くするために使われます。虫歯を防ぐ効果(抗う蝕性)が期待できるほか、ビフィズス菌や乳酸菌の増殖を助ける働きがあることから、シロップタイプの健康食品としても販売されています。

ゲンチオオリゴ糖

漢方薬の竜胆としても知られるリンドウの根などから採集されるオリゴ糖で、糖類ですが独特の苦味とコクがあります。その味わいを利用し、野菜やココア、チョコレートなどの苦味をカバーする目的で使用されることがあります。ビフィズス菌・乳酸菌のエサとなり、腸内での善玉菌の増殖を助けます。

ニゲロオリゴ糖

日本で古くからつくられてきた味噌や日本酒などに含まれ、長く続く甘みが特徴のオリゴ糖です。食塩の塩辛さを抑える働きがあるほか、甘味料を作る際に、美味しく感じられる甘味のバランスを作り出す目的でも使用されています。虫歯予防や腸内細菌のバランスを良くする働きが期待できます。

グリコシルスクロース

正式にはグリコシルスクロースという名称ですが、カップリングシュガーという名前で商品化されています。フラクトオリゴ糖と同じ、ショ糖(砂糖)をベースにしたオリゴ糖ですが、ショ糖にフルクトースが結合しているフラクトオリゴ糖と異なり、ショ糖にグルコースが結合してできています。今まで紹介してきたオリゴ糖の多くは消化されにくくカロリーが低いものでしたが、カップリングシュガーは砂糖と同じように人の消化酵素で分解されるため、砂糖と同程度のカロリーがあります。虫歯予防の効果があるため、甘みのある間食で成長に必要なカロリーを摂りたい子ども向けに、虫歯になりづらい甘味料として使用されることがあります。

オリゴ糖と腸内環境の関係

オリゴ糖はビフィズス菌や乳酸菌などの腸内善玉菌のエサとなり、摂取することで善玉菌が増えて腸内バランスが整えられます。

本来、腸内細菌は善玉菌・悪玉菌・日和見菌の比率が2:1:7に保たれているのが理想。食生活の乱れやストレスなどで悪玉菌が増えた状態になると、便秘や下痢といった腸の不調が起こりやすくなります。そんな場合、オリゴ糖を摂ることで善玉菌を増やし、適切なバランスに近付けることができるのです。

オリゴ糖は大腸に届くと細菌によって発酵し、有機酸という物質が増加。この有機酸によって悪玉菌の増殖が抑えられます。さらに、オリゴ糖は善玉菌である乳酸菌やビフィズス菌の栄養になり、善玉菌が増えることで腸内バランスが改善。腸の不調を改善することに繋がるのです。

また、オリゴ糖には、ヒトが消化吸収できる「消化性オリゴ糖」と、消化吸収することが難しい「難消化性オリゴ糖」があります。消化吸収されないオリゴ糖は、結果的に砂糖よりもカロリーが低くなるため、砂糖と置き換えて使うことでダイエット効果も期待できます。

腸内フローラとは

腸内細菌を表す言葉として「腸内フローラ」というのを聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。私たちの腸内には、人によって異なりますが、およそ200から300種類、600兆個以上の細菌が棲んでいます。それぞれ仲間ごとに小さな塊をつくり、腸の壁を覆い尽くすように並んでいる様子が花畑のように見えることから、「腸内フローラ」と呼ばれるようになりました。この腸内フローラは、大きく分けると以下の3つの種類があります。

善玉菌

健康な体づくりをサポートしてくれる菌です。腸の消化・吸収を促して、おなかの調子を整えます。また、免疫力を高める働きにより、風邪や病気になりにくい体を作ります。ビタミンやホルモンを生成する働きもあり、健康維持に欠かせません。

悪玉菌

有害物質をつくり出し、体に悪い影響を与える菌です。悪玉菌がつくった有害物質は腸内の善玉菌や肝臓で処理されますが、悪玉菌が増えすぎると処理が追いつかなくなり、有害物質によって便秘や下痢の症状が引き起こされるほか、生活習慣病やがんにつながるとも言われています。

日和見菌

善玉菌と悪玉菌のどちらにも属さず、優位な方の菌を味方している菌です。善玉菌が多いときは健康維持に役立ちますが、悪玉菌が多いと有害物質をつくるようになります。

オリゴ糖が腸内フローラを整えるメカニズム

人が消化吸収することのできない難消化性オリゴ糖は、消化酵素によって分解されることがないため、そのままの形で腸に届きます。そして、大腸まで達すると、腸内フローラの中の善玉菌のエサとなるのです。オリゴ糖をエサにして増殖した善玉菌は、有機酸をつくり出し、腸内を酸性にします。悪玉菌の一種である大腸菌は、酸に弱く、酸性の腸内では生育することができません。このように、善玉菌を増やし、悪玉菌の増加を抑えることで、腸内フローラのバランスを整えています。

オリゴ糖は虫歯になる?

子どもから大人まで多くの人が悩む虫歯ですが、その原因のひとつが「砂糖」であることは良く知られています。砂糖と同じ糖類であるオリゴ糖も、摂取することによって虫歯になってしまうのでしょうか。

虫歯は、砂糖(ショ糖)をミュータンス菌などと呼ばれる口内細菌が利用することによって不溶性グルカンという固い歯垢をつくり出し、その中に酸を貯め込むことで歯の表面を溶かすことによって発生すると言われています。不溶性グルカンは粘り気が強く、簡単なうがいでは落とすことができません。そのため、歯磨きが行き届かなかった場合に、長期間歯の表面にとどまり、虫歯となってしまうのです。

こまで行われた研究によると、ショ糖をオリゴ糖の一種であるカップリング・シュガーに置き換えた実験によって、不溶性グルカンがつくられる割合が下がり、虫歯の発生を抑えられたという結果が報告されています。不溶性グルカンができなければ、虫歯の原因となる歯垢ができづらいと考えられます。つまり、オリゴ糖には虫歯の発生を抑える効果が期待できるのです。

オリゴ糖の副作用は?

オリゴ糖を摂取することによって、腸内フローラのバランスを整え、便秘や下痢の改善が期待できることが明らかになっていますが、オリゴ糖は安全で、副作用はないと言い切れるのでしょうか。

結論から言いますと、多量に摂取した場合は下痢を引き起こす場合があります。オリゴ糖は自然界のものにも含まれる安全な物質ですが、多量に摂取すると、腸内の水分バランスが崩れて下痢につながるのです。オリゴ糖は浸透圧の高い物質で、水分を排出させる力があります。消化されずに腸まで届いたオリゴ糖は、便の水分量を増やすように作用してしまい、その結果下痢を引き起こします。下痢を引き起こさないためには、摂取目安量を守り、万一オリゴ糖が原因と思われる下痢が起きてしまった場合は、使用量を減らして様子を見るようにしましょう。

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