イヌリン

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イヌリンとは

イヌリンは、ヒトが消化・吸収することが難しい、難消化性の食物繊維のひとつです。食物繊維には、水に溶けないものと水に溶けるものがありますが、イヌリンは水に溶ける食物繊維です。ヒトの消化器において消化・吸収されることはありませんが、ビフィズス菌をはじめとした、腸内の善玉菌のエサとして利用されています。砂糖(ショ糖)に果糖が複数つながった構造をしており、その組成はフラクトオリゴ糖とも似ています。

イヌリンが含まれる食材

身近な野菜では、タマネギやにんにく、ゴボウなどに多く含まれていますが、特に多く含むものとして、キクイモやチコリーを挙げることができます。キクイモは北アメリカ原産のキク科の植物で、日本でも根菜として食用にされている野菜です。未加熱のキクイモには13〜20%ものイヌリンが含まれており、イモ類に多いでんぷんはほとんど含まれていません。多くのイモでは、光合成によって作り出された栄養素を糖やでんぷんの形で貯蔵していますが、イヌリンもでんぷんと同じように糖が繋がってできていることから、植物のエネルギー源とするために、根や茎へ貯蔵されているものと考えられます。チコリーもキクイモと同じキク科の植物で、こちらは暗所栽培されたものがサラダ用として流通するほか、チコリーコーヒーなどと呼ばれるコーヒーの代用品として飲用されることもあります。

チコリーに含まれるイヌリンついては、1世紀古代ギリシャの文献にその健康効果に関する記載を見ることができるほど古くから知られており、1804年に主成分であるイヌリンが分離発見されたといわれています。現在はイヌリンを製造する方法が確立しており、単体での粉末サプリメントのほか、様々なサプリメントに使われたり、機能性表示食品として飲料に配合して販売されたりしています。

その他の摂取方法

キクイモをはじめ、タマネギなどの身近な野菜にも含まれているイヌリンですが、野菜だけでイヌリンを摂り続けるにはたくさんの量を食べる必要があり、料理の手間がかかる点などがネックになります。しかも、イヌリンが豊富なキクイモやチコリーは入手しづらく、日常的に食べるのは難しい人が多いのではないでしょうか。

イヌリンは粉末状にしたものが販売されており、食事や飲料に混ぜても味が大きく変化しないため、そういった商品を使って摂取することもできます。食事と合わせて胃腸に届くことで効果を発揮するので、食間に摂るのではなく、食中や食後すぐに摂るように心がけると良いでしょう。他にも、持ち歩きやすく飲みやすいタブレットタイプのサプリメントなども販売されています。イヌリンは継続的に摂取することで体調改善やダイエットなどの効果を期待できる成分です。自分が続けやすい形で生活に取り入れていくと良いでしょう。

イヌリンに期待できる効果

イヌリンは、血糖値の上昇を抑える効果があるため、古くから糖尿病患者に対して使用されており、「天然のインシュリン」との異名を持つほどです。これは、消化されないイヌリンが小腸で他の糖の吸収を抑えるということと、さらにイヌリンをエサとして利用するビフィズス菌などの腸内細菌が短鎖脂肪酸をつくり出し、その短鎖脂肪酸が腸のホルモンを出す細胞を刺激することでインシュリンが分泌される、という2つの現象が重なって効果を表していると考えられます。

また、イヌリンはプレバイオティクスとして腸内細菌のエサになるため、腸内バランスを整えることでお腹の調子を整えたり、お通じを改善したりする効果があります。動物実験においても、便を柔らかくしたり、排泄量を増やしたりする効果が確認されており、近年では難治性の便秘症やIBS(過敏性腸症候群)への効果も確認されています。

さらに、イヌリンには血中の中性脂肪を低下させる働きもあることが報告されています。食物繊維であるイヌリンが食品をより長く胃の中に滞留させることや、腸内細菌によってつくられた短鎖脂肪酸によって、脳に作用して食欲を抑える働きのあるホルモンを分泌させること、短鎖脂肪酸自体が直接脳に食欲を抑えるよう働きかけることなどが重なり合い、総合的に中性脂肪の値を低下させることにつながっていると考えられています。

他にも、イヌリンにはミネラルの吸収促進機能などが報告されており、私たちの健康をサポートしてくれる嬉しい効果が期待できます。

ダイエットに適したイヌリンの働き

イヌリンにはダイエットをサポートする嬉しい効果があると言われています。

その1つは、先にも書いた血糖値上昇を抑える効果です。イヌリンによってインシュリンの分泌が促されると、血中の糖分をエネルギーとして利用する力が高まります。糖類を効率的に消費することによって、太りにくい体質が得られるのです。

また、血中の中性脂肪は、皮下や内臓の周りに蓄積されていき、肥満の原因となりますが、イヌリンは血中の中性脂肪を低下させる働きがあると言われているため、肥満予防にも効果があると言えます。

さらに、イヌリン自体は消化吸収されず体外に排出されるため、カロリーは炭水化物の約1/3となっており、イヌリン自体が低カロリーです。イヌリンはプレバイオティクスとして腸内バランスを整える効果がありますが、それだけでなく、腸内の老廃物の排出を促すことでも腸内環境の改善に役立っています。

このようにいくつもの効果が重なりあって、ダイエットをサポートしてくれると考えられます。

イヌリンの抽出・製造方法

イヌリンは現在、主に2つの方法で製造されています。1つ目は、チコリーなどのイヌリンを多く含む植物から、イヌリンを抽出・分離・精製する方法です。2つ目は、砂糖を原料にして、イヌリンを合成する酵素によって砂糖に果糖をつなげることで製造・生成する方法です。2つ目の方法については、日本企業が国内外で特許を取得しています。

イヌリンの安全性

植物などの自然物にも含まれているイヌリンは、食品から適量を摂取する分には大きな問題は無いと言えるでしょう。しかし、イヌリンを含む食品に対してのアレルギーを起こす場合もありますので、初めて食べる場合は体調を確認しながら慎重に摂取するようにしましょう。また、妊娠中・授乳中については、安全性を確認できる十分なデータがないため、特別に摂取することは避けたほうが良いでしょう。

過剰摂取には注意

イヌリンは比較的安全性の高い成分ですが、摂取するにあたっては、分量に注意を払う必要があります。イヌリンの摂取に慣れていない人が大量に摂取すると、お腹の張りや苦しさ(腹部膨満)を引き起こすことがあるのです。また、排出効果が強く出てしまった場合には、下痢になることもあります。下痢をしてしまうと、体に必要な栄養分や水分を失ってしまうため、イヌリンの量を調整するか摂取を一時的に中断して、回復を待ちましょう。

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