セルロース

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セルロースとは

セルロースは野菜や果物に含まれている不溶性の食物繊維。食物繊維の大半がセルロースと言われ、私たち人間の整腸作用に関わっている身近な物質です。

植物の細胞一つ一つを取り囲んでいる細胞壁や、植物の繊維質の主成分であり、地球上で最も多く存在する炭水化物であるといわれています。通常、リグニンやヘミセルロースと結合した形で植物の中に存在していますが、衣類などに使われている綿(綿花)は、そのほとんどがセルロースでできています。セルロースは1838年にフランスの学者によって発見されており、1991年には日本の化学者である小林四郎らが人工合成に成功しました。近年では、工業分野において、セルロースを分解してアルコール燃料として使用する「バイオマスエタノール」の原料としても注目を集めています。さらに、セルロースをナノレベルまでほぐしたナノセルロースは、軽量・高硬度の新素材であるセルロースナノファイバーとして自動車のボディのほか身近なプラスチック製品などに応用されています。

セルロース自体は、摂取しても消化・吸収されず排泄されますが、腸のぜん動運動(便を押し出す力)を刺激して、お通じをスムーズにする働きも持っています。そのため、セルロースが不足すると腸の動きが弱まり、便秘に繋がる恐れもあります。

セルロースを多く含む食品

セルロースは植物のほとんどに含まれていますが、特に豊富なのは米ぬか、小麦ふすま、穀類の外皮、サツマイモ、ゴボウ、セロリ、豆類などです。どれも、歯ごたえがある食べ物なので、しっかり噛むことにより唾液や胃液の分泌が活性化され、消化をスムーズにします。

比較的食べやすいところでは、根菜や葉物野菜にも含まれるほか、おからパウダーにも大豆の食物繊維が豊富に含まれていますので、メニューに合わせて様々な食材から摂るようにしましょう。

セルロースの効果

腸内環境を改善

セルロースは、腸に住み着く善玉菌のエサとなり、善玉菌を活性化させるため、腸の働きも活発になります。セルロースはヒトの消化液で溶かすことはできませんが、腸内細菌によって利用され、酢酸や酪酸、プロピオン酸などの短鎖脂肪酸に変換されます。これらは人体に吸収されエネルギーとして使用されるほか、腸内を酸性に傾けることで悪玉菌の増殖を抑える働きをします。このように腸内細菌のエサになる物質のことをプレバイオティクスと呼びますが、セルロースはその利用割合も高く、プレバイオティクスの代表的な存在といえます。

一方、悪玉菌が減ることで腸内における有害物質の生成量が減り、便秘や下痢などの腸トラブルを防ぎます。また、セルロースには発がん性物質などの有害物質を吸着し、排出する解毒作用も備わっているため、大腸がんの予防にも繋がります。

これらの効果が重なることで、腸への効果にとどまらず、免疫力の向上や、代謝改善、美肌、アレルギーの予防・改善など、全身の健康づくりに貢献しているのです。

ダイエットにも有効活用

セルロースは水分を吸収すると膨らみ、また、胃腸に長くとどまるため、満腹感が得られます。十分な量の水分を一緒に摂取することで、満腹感が高まります。

さらに、デンプンと、セルロースをはじめとした食物繊維を同じ量摂取した場合、食物繊維のカロリーは、種類にもよりますがデンプンの半分以下であるといわれています。食べたあとの満腹感だけでなく、料理のボリュームを演出しながら実際のカロリーを抑えることにも一役買っているのです。

糖尿病予防にも

セルロースなどの食物繊維は、腸に届いてから腸内細菌によって分解され、その後吸収される、という流れをたどるため、食後長い時間が経ってから吸収されます。食べたものが一度に吸収されると血糖値が急上昇し、それを抑えようとインシュリンが多量に分泌されます。これが繰り返されることにより、膵臓が疲弊し血糖値のコントロールが難しくなるのが糖尿病です。

セルロースを十分に含んだ食事をゆっくり摂ることで、エネルギーの吸収が穏やかになり、糖尿病を予防することにつながります。

セルロースの製造と活用

自然界に多く存在しているセルロースは、古くから工業的にも利用されてきました。セルロースが主成分である綿を衣料品として使うほか、木材から得られたパルプなども処理を行なうことでセルロースを抽出することができます。抽出されたセルロースは短い繊維状ですが、これを薬液で溶かし、再合成することによって長い繊維を得ることができます。これらは再生繊維と呼ばれ、代表的なものとしてレーヨンが挙げられます。

また、食品にも含まれているという安全性から、医療用のハードカプセルの材料にも用いられます。ゼラチン製のカプセルと比べて飲みやすく、宗教上の理由で牛や豚由来のゼラチンを食べることができない方にとって重要な素材となっています。

セルロースの
オススメ摂取方法

セルロースは穀類、豆類、イモ類、野菜類に幅広く含まれています。普段の食事でこれらを意識して摂ることで、体に必要なセルロースを摂取することは可能です。しかし、日によって野菜を多く食べられない場合もあるかと思います。そのような時はセルロースを配合したサプリメントなどもあるので、活用してみるのも良いかもしれません。

セルロースは水に溶けにくいため、粉末状のセルロースを摂取する場合、お茶などに混ぜて飲もうとしても、沈んでしまったり、表面に浮いてしまったりして飲みづらいという特徴があります。粉末タイプのサプリメントを使用する場合は、ヨーグルトやスムージーなどのとろみのあるものに混ぜるか、食べ物に振りかけて摂取するのが良いでしょう。クッキーやハンバーグなどのタネに混ぜて焼くと、つなぎの役割も果たしてくれるため、崩れにくくなります。また、セルロースは胃や腸で水分を吸収するため、十分な水分と一緒に摂取するのがおすすめです。

セルロースは整腸作用や解毒作用があり、しっかり毎日摂取したい物質ですが、過剰摂取は下痢を引き起こすことがあるので、1日の摂取量が定められています。厚生労働省では、1日あたり成人男性は19g以上、成人女性は17g以上を目安としています。

また、セルロースは不溶性の食物繊維ですが、水溶性の食物繊維とのバランスも大切です。水溶性食物繊維は栄養素の吸収をスムーズにし、食後の血糖値を抑える働きもあります。水溶性食物繊維は、昆布、わかめ、こんにゃくなどのぬるぬるの食べ物に含まれています。どちらも善玉菌のエサになるため、腸内環境が改善されます。バランス良く摂り入れて、健康な腸を維持しましょう。

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