ビタミンを合成する

藤田紘一郎先生

【医学博士・藤田紘一郎先生監修】

このページは、腸内環境のエキストパート・藤田絋一郎先生に監修いただき、「ヘルスケア編集部」が作成したものです。 記事の内容に関する疑問や質問に関しては、下記ページのお問い合わせフォームからお願い致します。

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腸が作り出すもの

腸は食べ物の消化・吸収を担う器官ですが、それだけでなく腸内では生命活動に関わる、酵素、ビタミン類、ホルモンなど、さまざまな物質が作られています。ここでもやはり、腸内細菌が関わっています。

酵素

酵素は、生命の維持や活動に欠かせないもので、食べ物の消化・吸収、呼吸、筋肉運動など、すべての活動に関わっています。

酵素がなければ私たち人間はもちろん、動物も生きることができず、生命の源と言える存在です。酵素は食べ物から摂取できますが、加熱すると働きが失われ、生のままでも胃酸に溶けてしまうという欠点があります。栄養にはなりますが、酵素としての機能は果たせません。

その酵素を作り出すのが腸です。腸内細菌には酵素を持つ菌がいて、これらの菌と腸が協力して酵素を創り出しています。そのため、腸内細菌が活発に動けるよう、腸内環境を整えることが大切になります。

ビタミン

ビタミンは人の健康維持に必要な成分。13種類あり、ほかの栄養素がうまく働くために潤滑油のように働いています。

このビタミンも腸内細菌が作ってくれているのです。腸内細菌が作るビタミンは、ビタミンK、ビオチン、葉酸、パントテン酸、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12の7種類。それぞれ働きは異なりますが、細胞の再生やエネルギーの代謝を助けたり、健康な皮膚を作ったり、免疫に働きかけたりと、健康な体づくりに大きく貢献しています。

ところが、腸内環境が悪化すると悪玉菌が増え、腸内細菌のバランスが乱れてビタミンの生成が減ってしまいます。ビタミンを安定して作り続けるためにも、良い腸内環境を保つことはとても重要なのです

ホルモン

ホルモンは、体のさまざま働きを調整する物質です。

体の外側・内側で環境の変化が起こっても、体の働きを同じに保つような働きをしています。ホルモンには種類があり、血圧を調整するホルモン、赤血球の生成を促すホルモン、体脂肪を一定に保つために働くホルモンなど、100種類ほどのホルモンが存在し、さらに発見され続けています。

血糖値が一定になるように制御する働きを持つインスリンも、ホルモンの一つです。腸内で作られるホルモンは、おもに消化のための指令を伝えるものになりますが、ほかにも「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンも腸で作られています。セロトニンは精神安定作用があり、幸せな気持ちにさせてくれるホルモンです。脳で作られるものというイメージがあるかもしれませんが、実はセロトニンの90%は腸にあり、脳にはたった2%しか存在しないのです。

腸内細菌は、これらのホルモンの生成に必要な材料を供給する役割を果たしています。腸内環境を整えることは、正常な消化吸収や、心の安定にもなるのです。

その他

上記に挙げたものだけでなく、腸ではさまざまな物質が作られています。病源菌の毒素から腸を守る短鎖脂肪酸や、老化を抑制するポリアミンという成分、優れた抗酸化作用を持つ水素も腸内細菌が関係しているのです。

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参考サイト・参考文献

  • 腸内細菌が支える腸の7つのはたらき(NPO法人レックス・ラボ)P5~P8