風邪予防

なぜ、風邪をひく?
免疫力と風邪の関係

一時的に粘膜にダメージを与える程度のウイルス感染を風邪と言います。風邪を引き起こすウイルスは膨大な数に及びますが、代表的なものはインフルエンザウイルスやアデノウイルス、ノロウイルスなどです。ウイルスが体内に入ると免疫機能が働き、体外へ追い出そうと全力で戦います。しかし、免疫力や体力が低下しているとウイルスに抵抗する力が弱く、風邪の症状を引き起こしてしまいます。同じウイルスに感染しても、症状が出る人・出ない人、強く出る人・弱く出る人がいるのは、免疫力や体力に違いがあるからです。

また、冬場に風邪が流行するのは、空気が乾燥するため鼻や喉の粘膜が乾燥しやすく、ウイルスが好む低温乾燥の条件が揃うためです。加えて、屋外と屋内の寒暖差が激しく、免疫力が弱まりやすい為、風邪にかかりやすくなります。

特に現代人は不規則な生活に陥りやすく、さらに衛生的な環境がと整っていることから病原体に侵される機会が少なく、昔の人よりも免疫力が低下していると言われています。すぐに口内炎やヘルペスができる、寝ても疲れがとれない、運動をした後に風邪を引きやすい、などの症状がある人は、免疫力が低下している可能性があります。

そもそも「風邪」とは何なのか?

医学的定義

風邪とは、風邪症候群と総称される一連の症状を指す言葉。熱や喉の痛み、咳、鼻水、頭痛など、概ね似たような症状を示す病気のことを、一般に風邪と呼んでいます。

医学的には、鼻腔から喉頭までの上気道における急性の炎症(急性上気道炎症)。主要な症状は鼻水、鼻づまり、喉の痛みで、症状が悪化すると全身倦怠感や発熱が生じます。炎症が下気道までいたると、咳や痰が現れます。

急性上気道炎の原因

急性上気道炎の原因は、大きく分けて2つあります。1つめがウイルス、2つめが細菌です。ウイルスと細菌の両方に感染して急性上気道炎が生じることもあります。これらのうち、ウイルスを原因とする風邪が、風邪全体の80~90%を占めていると言われています。

風邪の原因となるウイルスの種類

風邪の症状をもたらすウィルスには、実にさまざまな種類があります。ライノウイルスやコロナウイルスは有名ですが、ほかにも、RSウイルスやインフルエンザウイルス、アデノウイルス、パラインフルエンザウイルスなど、現在確認されているだけでも200種類以上あるとされています。 これら200種類以上のウイルスのうち、もっとも病原性と感染力が高い種類がインフルエンザウィルス。逆に言うと、インフルエンザウイルス以外のウイルスを原因とする風邪については、さほど心配するような症状にはいたりません。

風邪に対する病院での対応

風邪の症状で病院を受診した場合、症状に応じた薬剤が処方されます。原因が細菌感染である場合には抗生物質が処方されますが、ウイルス感染である場合には抗生物質を投与しても症状は改善しないため、対症療法が行われます。

風邪の80~90%はウイルス感染であるといわれているため、患者に対する病院での対応の大半は対症療法です。

ただし、薬にはさまざまな副作用があるため、安易に頼るのはおすすめできません。中には腸内環境を悪化させ、免疫力低下の原因になってしまうものもあります。免疫力が低下して風邪をひきやすい身体になってしまっては、元も子もありませんね。

対症療法とは

病気の治癒を目指すのではなく、症状の緩和を目指す治療のこと。風邪を例にすれば、細菌やウイルスを排除するための治療ではなく、鼻水や咳、熱などの自覚症状を緩和させるための治療のことを、対症療法と言います。

風邪を治すのは自分の免疫力

ご存知の方もいるかも知れませんが、ウイルス性の風邪を「治す」ことはできません。いわゆる風邪薬と呼ばれる薬は、治療を目的としたものではなく、症状を抑えることを目的としているものなのです。

風邪を治すのは、病院での治療ではなく、患者自身の免疫力。「対症療法で症状を楽にさせている間に自己免疫力で治してください」というのが病院の対応です。

風邪の予防法

風邪の防方法としては、手洗い、うがい、マスクの着用などによって、風邪の症状を引き起こす菌・ウイルスの感染を防ぐのが一般的ですね。

しかし、日常生活を送る上で、菌やウイルスの侵入を完全にふせぐことは不可能です。それよりも、菌やウイルスが侵入しても風邪をひかないような状態をキープするほうが、根本的な原因の解決に繋がるのではないでしょうか? 体の免疫機能がしっかり働いていれば、たとえ風邪をひいたとしても、比較的早く回復するでしょう。もちろん、免疫力アップは風邪だけでなく、さまざまな病気のリスクを下げることにも繋がります。


免疫力を高めるには?

腸内環境を整えることが重要

風邪の発症は、免疫力の高さが関係しています。その免疫を作り出しているのは、腸の中に棲む腸内細菌。腸には全体の7割もの免疫細胞が集中しているため、腸内細菌の種類と数を増やし、腸内環境のバランスを整えることが免疫力アップに繋がります。

そこで、腸内環境を整えるために、毎日の生活を見直してみてはいかがでしょうか。たとえば、添加物や栄養のかたよった食事を避け、野菜や発酵食品をたくさん摂取したり、規則正しい朝型の生活を心掛けたり。最近では腸内環境を整えるのに役立つサプリメントなども手軽に入手できるので、忙しい方でも手軽に取り入れることができます。まずは無理のない範囲で、できることから始めてみましょう。

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参考サイト・参考文献

  • 藤田紘一郎(2018)『病気にならない乳酸菌生活』PHP文庫